足の裏に隠れた「3つの弓」――アーチが体を支えるしくみ
突然ですが、あなたは今日、自分の足の裏を意識したことがありますか?
歩いているとき、立っているとき、私たちはほとんど足を「意識しない」まま過ごしています。でも実は、足の裏には体全体を支えるための精巧なしくみが備わっています。それがアーチです。
足の裏には3つの「弓」がある
足の裏を横から見ると、地面にぴったりとくっついているわけではなく、少し浮いている部分があることに気づきます。これがアーチ(弓なり構造)です。足には3つのアーチがあります。
- 内側縦アーチ(土踏まず):足の内側、かかとから親指の付け根にかけての弓なり
- 外側縦アーチ:足の外側、かかとから小指の付け根にかけての弓なり
- 横アーチ:足の幅方向、指の付け根~中央あたりにある弓なり
この3つが組み合わさって、足は立体的なドーム構造を作っています。

弓矢を思い浮かべてください
アーチのはたらきをわかりやすく説明するなら、「弓矢」がぴったりの例えです。
歩くとき、足は地面を蹴り出す直前に力を蓄えます。このとき、アーチの湾曲は強くなります――まるで弓矢を引き絞るように。そして足裏が地面に着いた瞬間、今度は衝撃を逃がすためにアーチがしなやかに撓みます――弓を放った後のように。
つまりアーチは、力を溜めるバネであり、衝撃を逃がすクッションでもあるのです。この動きが毎歩、無意識のうちに繰り返されています。
足の骨は、全身の骨の4分の1
ここで少し豆知識を。
人間の体には約206個の骨がありますが、そのうち片足だけで28個(種子骨含む)もの骨が集まっています。つまり両足で56個――全身の骨のおよそ4分の1が、足に集中していることになります。
こんなに多くの小さな骨が組み合わさって足が構成され、アーチという構造を作っているのです。
眼鏡橋と「要の骨」の話
アーチのつくりは、長崎などに残る石造りの眼鏡橋によく似ています。アーチ橋は、弧の頂上にある「楔石(くさびいし)」が要(かなめ)になっていて、その一石が外れると橋全体が崩れてしまいます。足のアーチも同じで、ある骨が要となり全体を保っています。
「楔石」が少し崩れてしまうだけで、足全体のバランスが崩れ、足の機能や体への衝撃吸収にも影響が出るのです。

アーチが崩れると、体全体に影響が出る
3つのアーチは、それぞれが単独で動いているわけではありません。ひとつの骨が歪むと、隣の骨に、そしてアーチ全体に影響が伝わります。
アーチが崩れた足は、歩くたびに衝撃をうまく吸収できず、余分な負担が足首・膝・股関節・腰へと伝わっていきます。「なんとなく膝が痛い」「腰がだるい」という症状が実は足のアーチの崩れから来ているケースも少なくありません。
足のトラブルが、足だけで完結することはほとんどないのです。

まずは「自分の足を知る」ことから
難しい話が続きましたが、まず大切なのは「自分の足の状態を知ること」です。直接足の裏をみたり、立っている時の足を鏡で見たり、ちょっと足に目を向けてみませんか?


